レポートとは
- 科学的な根拠に基づいた自分の考えを(内容)
- 決まった形式で(構成)
- 客観的に・論理的に書く(視点)
レポートでは事実と根拠を示した自分の考えのみを書きます。
レポート作成のマナー
学術的な文章で書く。
他人の研究成果や調査結果は、自分の意見と区別して書く。
引用や要約のルールに則って、出典を明示する必要がある。
レポートの構成
レポートでは、「問題提起」「事実の調査」「論証」「結論」を一定の形式に則って書く必要があります。
<一般的なレポートの構成>
- 表紙(タイトル・著者の所属・名前)
- 本体
序論:問題を提起し、本論の内容を簡潔に説明する。
本論:調査で得られた事実に基づいて論証する。
結論:議論を総括し、結論を述べる - 文献リスト
<序論>
A) 問題提起
本論で取り上げる問題は何かを提示する。その問題を取り上げた理由、背景を述べるとともに、先行研究の文献調査の内容や分析の方法などを記す。
B) 本論の要約と展望
提起した問題について、本論でどのような主張を展開しようとしているのかを簡単に述べる。また、本論でどのように議論を展開するのかを手短に要約する。
<本論>
A) 調査
提起した問題について、どのような文献調査をおこなったのかを具体的に示す。
B) 論証
文献調査で得られた事実に基づいて、自分の主張を論じる。
<結論>
A) 結論
本論で展開した議論の結論を提示し、残された問題点と将来への展望を示す。
STEP 1 テーマの設定 |
・課題を理解する ・テーマを決める |
STEP 2 文献調査 |
・情報を集める ・集めた情報を整理する |
STEP 3 執筆 |
・レポートの骨格(アウトライン)を作る ・アウトラインを膨らませる ・論述する ・推敲する |
・レポートの骨格(アウトライン)をつくる
レポートを構成する3つのセクション(序論、本論、結論)に沿って、「アウトライン」を作成します。
アウトラインとは、レポートの骨組みのことです。キーワードや簡単な文を使って、レポートの骨格を固めていきます。その際には、説得力のある主張にするにはどうしたら良いか、どのような資料を調べ、どのような例をあげればよいかを考えながら、レポートに取り上げる項目を書き出していきます。
資料をよみ、自問を繰り返し、アウトラインを練り直すことが必要です。
・アウトラインを膨らませる
・論述する
アウトラインができたら、執筆に入ります。作成したアウトラインの項目について、最も主張したいポイントを明確にしたうえで、それを補足するかたちで、詳細な説明を記述します。ここでいう補足とは、自分の主張について、文献調査で得られた先行事例などの根拠を示して客観的に説明することです。このようにしてレポートの骨格に肉付けをします。
レポートは論理的に自分の考えを相手(読者)に伝えることを目的としていますから、一つ一つの文で述べている内容が正確に伝わり、それぞれの文の関連性に矛盾がないように、明晰な文章で書くことが大切です。論理的な文章の具体的な技法については、「パラグラフ・ライティング」*を参考にして下さい。
*「パラグラフ・ライティング」 ①主題文(Topic Sentence) 中心となるひとつの考え(主題)をあらわした文で、書き手が最も表現したいことを提示する。 ②支持文 (Supporting Sentences) 文献調査などで得られた先行事例などの根拠を示して、主題文をより詳しく説明する。 ③結語文 (Concluding Sentence) パラグラフの終了を示す。主題文を別の言い方で表現する。なお、結語文は主題文を兼ねて省略することもある。
レポート
パラグラフ
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パラグラフ |
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パラグラフ |
・推敲する
推敲にあたっては、自分が書いた内容が相手(読み手)に正しく伝わるか、誤解をあたえる表現になっていないか、議論の展開に無理がないかなどを考えながら何度か読み返します。また、他の人に読んでもらい、相手に理解される内容になっているか、確認するのも良い方法です。
STEP 4 形式を整える |
・引用・参考文献(リスト)をつくる ・体裁を確認する。(文体を“である体”で統一するなど) |
・引用・参考文献(リスト)を作る
引用文献と参考文献の一覧表を作成します。
・体裁を確認する
レポート表紙を作成します。表紙に必要な事項は授業科目名、レポートの題名、所属(学部・学科名)、学年、 学籍番号、氏名です。但し、教員から他の条件や指示がある場合は、この限りではありません。
引用・著作権
・自分の意見と他人の意見を区別する
レポートや論文を書くにあたって、他人の研究成果や意見をあたかも自分のものであるかのように使用することは、許されない行為です。また、単なる主観の表明としてレポートや論文を終わらせないために、自分の意見や主張を客観的に裏付ける必要があります。その根拠として、他の人の研究成果や意見に敬意を払いつつ、それらとの関係の上に、自分の意見や主張を組み立てて行くことが大切です。 自分の関心のある分野の先人たちがどこまで到達し、自分がそれに新しく何を加えられるのかを絶えず意識して、執筆しましょう。
・著作権を尊重する
著作物に対し、法的な立場から整備し保護しているものが著作権です。 引用文献や参考文献は、執筆者名、タイトル(論文や記事の場合は掲載雑誌名も加える)、出版者(社)、出版年、参照としたページ(P.XXX – P.XXX)を書誌事項として明記する。 また、インターネット上の情報源を引用する場合は、作成者、文書、資料名、URL、閲覧年月日を明示する。